豪栄道はなぜ再昇進チャレンジをせずに大関のままで引退の潔さを選んだか

豪栄道 力士衆と親方

幕尻德勝龍の涙と爆笑の優勝から1日、カド番脱出に失敗して去就が注目されていた大関豪栄道が現役引退を決意し、師匠の境川親方が協会に届け出たとの報が入りました。

このところ大関の陥落が相次ぎ、再昇進チャレンジに成功して復帰する人と失敗する人を毎場所のように見てる気がしますが、チャレンジを使わなかった豪栄道は潔かった…(涙)

これまで何度も陥落の危機に見舞われてきた豪栄道ですが、引退後はの道筋はちゃんとつけてあったようです。

在位33場所 大関の矜持

2020年初場所、豪栄道は9度目のカド番を迎えておりました。

先場所後だったか豪栄道は「自分はカド番の乗り切り方を誰より知ってる」と、誰にでも言えることじゃないけど出来れば言いたくないことを言ってました。

ただ、今場所ばかりはいつもと違った。序盤から連敗し、中日を前にしてすでに4敗。いかにカド番脱出のプロとはいえ、これはキビシイと思いました。負けてうなだれる姿に力がなかった。

結局豪栄道は5勝10敗の成績で初場所を終えたのですが、すぐさま『去就』の二文字が出たことに正直「お?」と思いました。

大きく負け越して場所を終えた豪栄道は「出し切った」と言ってました。春場所で再起をかける選択肢はなかったようです。

大関の地位を守り続けることに精も根も尽き果てたと、千秋楽を待たずに引退を決意していたとのこと。

豪栄道の大関在位33場所は歴代の大関のうちで10位、在位の長い方です。関脇まではもっぱら「関取」と呼びかけられますが、大関になれば「大関」と呼びかけられますし、待遇も関脇と大関とではまるで違うと言われます。

最近の傾向として陥落しても再昇進チャレンジがあるじゃないか♪みたいな雰囲気がありますが、本来大相撲は大関になったら横綱に上がる以外に道はないと思え、と大関の気構えを教えられる世界です。

豪栄道はその価値観尺度を潔く守って番付編成会議を前に引退を申し入れました。おそらく角界で一番男臭い部屋の境川部屋の力士らしい散り際だと思います。

実は在位11位の琴奨菊は32場所在位ののちに再昇進チャレンジに失敗して現在に至っています。

どっちが正しいというものではありません。それぞれの力士の価値観です。

引退後は武隈襲名

さて、これ書いてる現時点では豪栄道の引退会見の予定は報じられていないので、境川親方を通じて引退の意向が伝えられたところまでで正式な受理にはなっていないようです。

だからと言って残念ながら一度引退すると発表したらひっくり返せない不文律がありますから、豪栄道の引退は決定、ということで。

これまで度重なるカド番のたびに「引退」の文字がちらついたものですが、豪栄道はまだ年寄株を取得していません。角界に残るのかどうかが気になります。

豪栄道は大関なので大関特権で3年間は「豪栄道親方」として角界に残ることができます。鳴戸親方が大関特権を使ってしばらく「琴欧洲親方」で部屋つきをしてましたね。

まあ…境川さんが「うちのゴータロー」と呼んで可愛がってる弟子ですからね、男気の塊みたいなあの師匠のことだ 3年の間にいろいろと手を尽くして株を用意してくれるんでしょう。

【追記】
豪栄道の引退ショックがまだ相撲ファンを包む1月28日、年寄武隈の襲名が発表されました。

今後は境川部屋付きの親方として指導にあたるそうです。

豪栄道といえばカド番のイメージがやたら強いですが、忘れもしませんカド番で迎えた2016年秋場所の全勝優勝。あの豪栄道はどうしようもなく強くて堂々としておりました。

もう一度あの姿を見たかった。それが惜しまれます。

さよなら大関豪栄道。親方としての新たな人生に幸いあれ!

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