無観客で寂しい春場所の楽しみ方

無観客協会ご挨拶相撲好きの独り言

新型コロナ渦のあおりを食って今年の大相撲春場所は史上初の無観客場所となってしまいました。声援のない取組を見ていると頭の中で勝手に大歓声が再生されます。

序ノ口あたりは客席がほぼ空になってるのは慣れてるかも知れませんが、大入りの客席を前に土俵に上がってきた関取衆にとっては目下の敵は普段とあまりに違う会場の雰囲気のようで、とまどう声が多くありました。

協会関係者に一人でもコロナ感染者が出たら中止になってしまう今年の春場所、15日完走できるか心もとないですがいつもと違いすぎる場所の楽しみ方です。

力士のメンタルを測るメーター

初日を終えての感想を聞かれて、今まで当たり前だと思っていた観客と声援が本当にありがたいものだと思ったという力士がいました。

テレビで見てても異様な雰囲気なのに、お客さんの目がない中で土俵に上がりケガと隣り合わせの相撲を取らなきゃならん力士衆は今場所メンタルの強さを試されます。

これ書いてるのは3日目の十両の取組が終わったところですが、初日に負けてしまった力士を見ると土俵生活が長いベテランや声援が多い人気力士が並んでました。

力士衆が口々にこの雰囲気に慣れなくてはと言ってます。中には御嶽海みたいに「静かで淡々と取れる」と無観客の場所をさほど苦にしてなさそうな変わり者もいますが(笑)、多くが気持ちが沸き立ってこない、緊張感が持てないといつも通りに相撲が取れなくて苦労しているようです。

いつもと全く違う雰囲気の中で白星を重ねられる図太いメンタルを持ってるのは誰でしょう。

何と言っても音!

いつもなら歓声にまぎれて聞こえない音、あまり注目してこなかった音に耳を傾けて楽しむチャンスです!

土俵入りの音

「よいしょー!」の掛け声が聞こえない横綱土俵入りは四股を踏む音、せり上がりの音、行司さんの「しー!」という警蹕(けいひつ)がよく聞こえます。

もっと耳を澄ますと後ろで軍配の房を回す音が聞こえます。

立合いの音と息遣い

頭で当たる立合いは普通の人なら頭が割れてそうな音がします。今場所はことさらそれがよく聞こえます。

また組み合った時の激しい息遣いがそのまんま聞こえるので、ぱっと見楽してそうな一番でも全力を出していることがよう分かります。たまらん…

廻しを叩く音

仕切り前に廻しをぽんぽん叩くしぐさを見せる力士は多くいますが、今場所は会場内の反響が大きいので音だけ聞いているとぽんぽんどころか遠くで爆弾が破裂したような音がしていることも。

呼出し・行司の声

幕下以下の取組時は普段からお客さんが少ないので裏方さん方の声はよく聞こえますが、幕内上位は歓声でほとんど聞こえないためあまり気に留めてない方も多いでしょう。

エコーの効いた会場で朗々と響く裏方さんの声に耳を傾けるのも一興です。

叱られてるような気分になれる晃之助さん、お腹の底から風格ある声を出す寿之介さん、独特の発声法を完コピしたくなる立行司の伊之助親方などお勧めです。

呼出しさんはこまこまと働いてる姿を見てるだけで楽しいですが、声に注目するとしたらこれでもか!ってくらいのロングブレスで美声を聞かせる邦夫さん(十両格)、X-JapanのToshiを思わせる金属的な甲高い声の 利樹之丞 さん(幕内格)、柔らかくてのどかな美声の重夫さん(三役格)、慣れるまでは眉間にしわが寄るけど慣れたら味わい深い鮒ずしみたいな次郎さん(三役格)あたりからどうぞ。

場内の音

お客さんが入っていたら聞こえない場内の音が聞こえているのも不思議な感じです。空調の音やどこを歩いてるのか分かんないのですががこーんがこーんと大きな音がすることがあります。

塩の音 足踏みの音ひと

照強は大量塩まき力士ですが、今場所はまいても声援がないのでうまく気持ちが作れず苦労しています。照強が塩をまくとばらばらと塩が降ってくる音が聞こえます。

北勝富士や石浦は仕切りの時に牛が地面を蹴るような動作がルーティンですが、これもよく聞こえます。人が出す音とも思えない大きな音がしてます。

どんなにいい相撲でも歓声のない切ない場所ですが、普段は気づかない細かな魅力発見の場所なんだと思って楽しみましょう。

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