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貴ノ富士は引退勧告は不当だ会見を誰にそそのかされて開いたのだろう

貴ノ富士 不祥事・ごたごた

9月27日に弁護士を伴って開かれた千賀ノ浦部屋の貴ノ富士の会見はこれまで貴ノ富士を応援してきたという方ですら呆れ返ったと言わせてしまうなかなかなものでした。

付け人に対する2度目の暴力発覚で本来なら解雇相当のところだけど、まだ22歳と若いことで情状酌量の「自主引退勧告」を協会から申し渡された貴ノ富士。

しかし、「悪かったとは思うけど引退勧告は厳しすぎる!」とさっさとスポーツ庁に上申書を提出し、さらには速攻で会見まで開いちゃう強気な行動力の源は「オレ相撲やめなくちゃなんないほど悪いことしてねーし!」という思いだけだったでしょう。

しかし、100%自分一人で考えて開いたとは思えないあの会見は、残念ながら敵の数を何倍にも増やしただけで終わったように見えます。貴ノ富士はこれからどうなるのでしょう。

貴ノ富士の言い分

まずもっての背景

昨年3月場所、当時貴公俊の四股名で貴乃花部屋所属だった貴ノ富士はハレの新十両の場所で付け人の連絡ミスにして支度部屋でぶん殴ってケガをさせ1場所出場停止処分を受けました。

師匠の貴乃花さん(当時)はその頃2017年の秋巡業中に起きたいわゆる「鳥取の夜」の件で協会と対立する格好になっていたのですが、貴公俊(貴ノ富士)がやらかしてしまったことを受けて態度を一変させ、貴公俊は引退させるべきという声を鎮めて出場停止処分で納めさせたのであります。

しかし貴乃花さんの立場は悪化し、貴公俊(貴ノ富士)の暴力事件1号は師匠を協会から去らせる遠因となりました。

こういった背景の中で貴乃花部屋の力士衆は千賀ノ浦部屋へと転籍することになったのですが、その時貴公俊(貴ノ富士)は「またやらかしたら今度は引退させるからね」という内容の念書を交わしていたとされます。

指導か暴力か

常識的に考えれば、理由の全部ではないにせよ自身の行いのせいで尊敬する元師匠の貴乃花さんが自身の生い立ちのなかで「それしかなかった」大相撲から去らなくてはならなくなったのであればいかなる理由があれど手を上げてはならんと思うものです。

しかし貴ノ富士はどうやらそうではなかった。というか、「額をこつんとやっただけであれは暴力ではない」と。

3人の力士が脱走を図ったのは、稽古総見が行われたためいつもとは逆に番付が下の者が関取より先にお風呂に入った2日後とされます。

そういう時には関取に対して「お風呂先にごっちゃんでした」と挨拶をするのが角界の礼儀なのですが額にゲンコツを食らった付け人は「ざぁす」としか言わなかったのでなんだその態度は!とゲンコツが出たということらしい。

協会の判断

協会は秋場所直前の9月3日ごろには事態を把握していたようです。芝田山広報部長は殴られた力士にケガはないとしながらも「またやるなんて言語道断」と切り捨てました。

貴ノ富士は千賀ノ浦さんより出された秋場所の出場自粛要請が出されたため秋場所を全休します。

協会側の雰囲気としては、性懲りもなくまたやるとは解雇相当だけど、まだ22歳と若く将来もあるのだからクビにするのではなく自分から辞めますという形にしてやろうという温情をもってして「引退勧告」の形に持っていこうとしていました。

もちろん貴ノ富士は納得できなかったのですが、師匠の千賀ノ浦さんは「辞めろ」の一点張りだったそうです。

千賀ノ浦さんとしては貴ノ富士を守ってやりたい気持ちもあったと思いますが、部屋にはほかの弟子衆がいるわけで、穏便に自主的引退を選ばせるよりほかになかったのでしょう。

上申書の提出はヤブヘビだった?

貴ノ富士が再度の暴力で引退勧告を受けた という報道が出た時に明かされていたのは挨拶がまずくてゲンコツを食らわしてしまった、ケガはなかった というところまででした。

その後、付け人をしっかりしつけてやって欲しいと現師匠の千賀ノ浦さんから預かったもののあまりに物覚えが悪くてイライラしていたのでついやってしまった という貴ノ富士の言が出てきたことで、同情論もあったようです。

しかし、引退勧告を不服としてスポーツ庁に上申書を提出したことでゲンコツ食らった方の聞き取りが公開され、こりゃ嫌気がさして反抗的に「ざぁす」と言いたくなっても無理ないわぁ…ということが次々に出てきてしまいました。

会見の目的は何だったんだろう

かくして貴ノ富士は上申書を提出したことに対する会見を開くに至るのですが、まず思ったことは「この人は相撲を続けたいから処分不当の申し立てをしただろうに、まるっきり相撲を続けたい気持ちが見えてこない」でした。

言い訳と責任転嫁に満ちた、という形容詞をつけてよく人の口の端に上るこの会見の中で一番びっくりしたのが、協会が行っている暴力の研修会について「正直響いてない」「暴力はだめと言われてもそれではどうすればいいのか教えてもらってない」という下りですね。

中卒で角界入りして相撲しかやってこなかったから分からないということらしいですが、それは他の中卒で相撲を続けてきてる力士衆に対してあまりに失礼。

付け人や新弟子に対して差別的な言動があったことについても「部屋の兄弟子がもとからやっていた」とボクだけじゃないもん!と言わんばかりのことを口にする始末でした。

相撲を続けたいのに引退勧告は厳しすぎる!と言いながら周り中を自ら敵に回してどうする?!

弁護士を伴う気持ち悪さ

貴ノ富士の会見には「詳しくは言えないがある人から紹介を受けた」弁護士が同席していましたが、この人の言うことが昔から相撲みてる相撲ファンにとってはすげぇ気持ち悪かった(苦笑)

がさーっと要約すると「スポーツ選手には意見を述べて正しい処分を受ける権利がある」。

確かにそうかも知れんのですが、相撲は師弟は親子同然、一度入門したら師匠がいなくなるか部屋付きの親方が独立するときについて行く以外に部屋を変わることはできません。

所属先を変わっても続けられるほかの競技とはここが大きく異なります。相撲はほかのスポーツと比べて人間関係がことさらに重要な世界です。権利云々を振り回すと部屋制度が崩壊しかねません。

殴る以外の指導方法が分からんと言い放つ22歳の頭にスポーツ庁に上申書を提出したうえで弁護士つけて会見を開くなんていうことがひらめくとも思えないので、どうやら引退勧告を受けそうだと決まりかけた頃に誰かが手引きしたのでしょう。

非常に熱心な貴ノ富士後援会の誰かだという説やら、貴乃花を支持していた後援者が代理戦争をしかける形で貴ノ富士を利用した、なんて話まで飛び出していますが真相は分かりません。

理事会は貴ノ富士に自主引退を促していますが、まだ引退届は出されていないようです。貴ノ富士がどうしても自主引退に応じない場合、すでに設置されているコンプライアンス委員会に追加で答申を求め、その上で最終的な処分が決まるでしょう。

コンプライアンス委員会が入ることで理事会が一方的に処分を決めることはできませんが、あの会見が有利に働くとは素人の頭ではとうてい思えない。

兄貴が会見を開くことを報道で知った双子の弟の貴源治はやめた方がいいと兄貴に言ったそうですが、それから連絡が取れなくなったと言っています。

なにもう、貴乃花さんとそっくりじゃん!!何がしたいの?!

こんな八方ふさがりにしかならないことを22歳の血の気の多い若造に進言した誰かは、この状況を思惑通りだと思っているのでしょうか…。

【追記】

10月11日、貴ノ富士が引退を届け出たことが発表されました。「協会の未来に失望した。仮に残れても自分の居場所はない」とのことです。

会見の時の様子だと裁判も辞さずの構えかと思いましたが、これ以上かき回したところで何も出てきそうにないということでしょう。

あらゆる意味で残念な出来事ではありましたが、ぐちゃぐちゃの泥沼にならなくて良かった…というのが正直な感想です。

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