暴力事件の被害者でありながら付け人を殴ってしまったことで現役を引退した元千賀ノ浦部屋の貴ノ岩。不祥事での引退ではありますが断髪式が2月に予定されているようです。
発覚から引退発表までわずか2日の超即断でしたが、引退から2ヶ月少々での断髪式というのも、元幕内力士としてはかなりのスピードです。
どういう形であれ土俵で活躍した力士の引退は寂しさを感じますが、外国人力士の引退はセンチメンタルな感傷に浸ってられない事情がもれなくついているようです。
貴ノ岩の断髪式の日程は?
師匠の千賀ノ浦さんの「もう一度やり直すつもりで頑張ろうよ」という説得にも、八角理事長の「本当にこのまま辞めていいのか?」という再三の念押しにも 、貴ノ岩の引退の決意はその名が示すように岩の如く揺らぎませんでした。
「時間を戻せるとしたら?」の問いに「新弟子に戻りたいです」と答えたものの、会見の時の貴ノ岩にはちゃんこ番と誰かの付け人からやり直す覚悟はなかったようです。
もしも貴ノ岩にその覚悟があったなら、心底情ないと思った事件ではありましたが、個人的にはチャンスをあげて見守りたいと思ったんだけど。
まあ、それまでに貴ノ岩的には不本意なバッシングにさらされてきたので、迷惑かけたくないという気持ちとともにこれ以上叩かれたくないという気持ちもあって引退を即断してしまったところもあるんじゃないかと思います。
さて、角界一の『いい人』の誉れ高き千賀ノ浦さんは「幕内で相撲をとった男だから最後の花道としてやってあげたい」と初場所後の2月中旬を目処に断髪式を予定していることを明らかにしました。
断髪式は引退する人サイドが主宰してやるもので相撲協会は「協力する」という形になります。準備は自分たちでやらなきゃならなりません。
今年後半、よくも悪くも「貴」の字に振り回された千賀ノ浦さんでしたが、わずか2ヶ月ほどの師弟関係で不祥事引退だったにも関わらず「やってあげたい」と言う。千賀ノ浦さんはとことんいい人です。
【追記】
貴ノ岩の断髪式の日程が決まりました。2019年の2月2日に国技館で開催されるようです。
断髪式に先駆けて貴ノ岩の方から連絡をとって元横綱の日馬富士との仲直り飲み会が持たれました。日馬富士もきちんと謝罪し、お互いの将来のことなどを語り合ったようです。日馬富士も断髪に参加するとのこと。
日馬って人間できてるなぁ…。なんであの夜(涙)と思わずにいられませんが、過ぎたことは仕方がないのであります。
元師匠の貴乃花さんが断髪式に来るかどうかが注目されますが、「向こう10年会わない」と言い切ってましたから呼んでも来ないでしょう 多分。
なぜこんなに大急ぎ?
引退から2ヶ月少々での断髪式は元幕内力士としてはかなり早い開催です。同じく不祥事で引退した元横綱 日馬富士の時は半年以上後だったのに。
貴ノ岩の断髪の予定が大急ぎなのは、外国人力士がもれなく抱えるビザの問題があるのではないかと思います。
外国人力士は『興行ビザ』というもので日本に滞在し相撲を取っていますが、引退して相撲取りじゃなくなると3ヶ月で在留資格を失います。在留資格を失うと30日以内に国外に退去しなくてはなりません。
ただし、コーチとして部屋に残る場合は興行ビザの在留資格が使えます。日馬富士が引退後しばらく部屋に残ってコーチをやっていたのはビザの関係もあってのことでしょう。
もしも貴ノ岩に部屋のコーチとして残って稽古場に顔を出す道があるならここまで駆け足の断髪式を行なわなくても時間的猶予はあったと思います。
しかし、千賀ノ浦部屋には先代の師匠と2人の世話人がいますから人手は足りてますし、なにより移籍するなり騒ぎの種を振り撒いた挙句、問題起こして辞めていく貴ノ岩がコーチとして部屋に残ることが歓迎されるとは思えません。
力士が引退するとすぐさま声をかけてくる総合格闘技の方も、引退の理由が理由なだけにまだオファーに動いてはいないようです。
貴ノ岩の後援会は後援会というより応援する会といった雰囲気のもので発足半年でHPは閉鎖状態、元貴乃花親方の支援者を頼りたくとも元師匠の顔に泥塗った形ですからとてもじゃないけど顔向けできません。
しばらく今後のことを考えるという貴ノ岩ですが、もたもたしてると在留期限が切れてしまいます。
タイムアウトでまげつけたまま帰国なんてことにさせないためにも、大急ぎで断髪式の準備を始めたのではないのかなと思います。
角界にはモンゴルをはじめとしていろんな国出身の力士がいますが、現役を退いた後どうするか?ということをある程度頭に置いて行動しないと、いざ有事!となったときが大変そうです。
貴ノ岩の今後が非常に苦しいものになりそうなことは想像に難くないですが、なんとか乗越えて進んで行って欲しいものです。
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