貴ノ岩が実は示談成立してなかった日馬富士を提訴して意外な結末

貴ノ岩 不祥事・ごたごた

あの鳥取の夜から約1年。土俵に復帰し、もともとの地力十分を発揮してめきめき番付を上げている元貴乃花部屋(現 千賀ノ浦部屋)の貴ノ岩が9月30日に引退相撲を終えた元横綱 日馬富士に対して約2.400万円もの損害倍賞を請求する民事訴訟を起こしました。

※【追記】貴ノ岩が提訴を取り下げたと発表されました。

貴ノ岩と元日馬富士は水面下で示談を終えてるのかと思っていたのですが、実はそうじゃなかったようです。現役力士として土俵に上りながらの裁判は極めて異例。さぞかし相撲が取りづらかろうと思うのですが、それでも提訴に、それもなかなかな金額を提示して裁判に踏み切った貴ノ岩の真意は何でしょうか。



気の毒な千賀ノ浦親方…

貴乃花さんが突然相撲協会を去る決意をし、いきなり「弟子をお願いします」と託されても四の五の言わずに引き受けてくれた千賀ノ浦でしたが、この件について何も聞かされてなかったため、報道で知るところになったようです。

千賀ノ浦親方

いきなり弟子をよろしくと頼まれて、引き受けてみたら元横綱相手に民事裁判を起こした弟子が混ざっていたとあっては、「また事後報告でゴタゴタに巻き込まれるのぉ?!」というのが千賀ノ浦親方の本音のところでしょう。

千賀ノ浦親方は1980年代に活躍した力士です。最高位は小結で、当時は貴景勝からふてくされ成分を全部抜いたような丸くて愛嬌のある表情が人気でした。

その穏やかで面倒見のよい人となりを買われて先代の千賀ノ浦親方(元関脇 舛田山)が定年を迎える際に一門を超えて現在の千賀ノ浦部屋を託されました。信頼に足る人物だということが見て取れます。

が、いい人は往々にして余分な苦労をさせられる…。世の中世知辛いなぁ。

貴ノ岩と日馬富士の示談交渉が決裂したわけ

日馬富士

日馬富士の暴行事件は不起訴処分になりました、というところでひとまずの決着がついたものだと思ってました。
不起訴ではなく略式起訴処分でした。日馬富士は罰金50万円を納付済みです。
※コメント欄にて間違いをご指摘いただきましたので訂正しました。ご指摘ありがとうございました。

しかし、これは傷害に対する刑事裁判であって、民事としての問題は残ったままだったということです。うーむ、刑事だ民事だ裁判って難しい。

貴ノ岩と日馬富士はお互い代理人を立てて示談交渉を行なってきたのですが、貴ノ岩サイドが総額3.000万円の示談金を提示しました。

力士は我が身一つが商売道具です。デンモクで殴られて頭がぱっくり割れ、そのせいで2場所全休する羽目になり、救済措置で十両12枚目に留め置いてもらったとは言えケガさえしてなければもっと上の番付で相撲を取れてたはずなのに。

治療費が400万くらいかかったのも貴ノ岩が自腹で払ってるのに。という金銭的な損失の大きさを貴ノ岩側は訴えています。

これに対して日馬富士サイドは「いやいや高ぇよ このケースだったら30万円でしょ」と大きく開きのある金額を出してきました。

なんでこんなに金額に開きがあるのか正確な理由は分かりませんが、一般的なケースであれば30万円という示談金額は決して図抜けて低いものではないそうです。ただ、日馬富士サイドは事態を甘く見ていた可能性があります。

また、「こっちだって横綱辞めてるし!十分償ってるでしょうに!」というのもあったかもしれません。

ただまぁ、貴ノ岩にしてみれば「オレが横綱辞めろって言ったわけじゃないし 知らんわ!」ってことだったかも知れませんな。

かくして「これはどうやら代理人同士の話し合いでまとまることはなさそうだ」と貴ノ岩サイドは調停を立てたのですが日馬富士の代理人が欠席してしまったため調停は不調に。

そこで、こと細かに損害額を算出して民事提訴に踏み切ることになりました、というのがあらましです。



貴ノ岩のお金事情

加害者側が30万と提示している案件に対してその100倍の金額を請求してるというところだけ見ると、相撲取りは稼いでるんだから金に汚いことを言うな!と思う人が出てくるかもしれません。

しかし貴ノ岩には貴ノ岩なりのお金事情があります。

貴ノ岩は高校時代に両親を亡くしていますが、モンゴルに残っている兄弟に仕送りをしています。仮に相撲が取れなくなって引退するとしても、母国モンゴルでは「強くて立派な横綱の日馬富士を引退に追い込んだ奴」という見方もあるため、帰国しても居心地の悪い思いを強いられるかもしれません。

貴ノ岩は日本永住を視野に、いずれは帰化して親方になる将来計画を立てているのではないかと見られています。

ただ、年寄株を協会が一括管理して売買を禁止しているとはいえ、実際はけっこうなお金が必要という現実があります。

貴ノ岩は28歳になりました。力士の土俵人生は他の仕事に比べてはるかに短いです。千代大龍が七夕のたんざくに「金がいる」と書いてましたが、貴ノ岩もお金を残しておきたいのでしょう。

貴ノ岩の本当の目的とは

3.000万と30万という示談金額の開きに対して歩み寄りを見せなかった貴ノ岩には、お金のこと以外の真の目的がありそうです。

昨年10月25日の夜に鳥取のラウンジで何があったのか。日馬富士側は警察での取調べで話したことが全てですとしています。

ジャーナリストの江川紹子女史が鳥取区検察庁に足を運んで日馬富士事件の裁判記録を読みに行ったそうですが、黒塗りになった部分も多くあったようです。江川紹子女史は鳥取地検に裁判記録が一部公開不可になっていることを不服として準抗告の申し立てを行ないました。

あの晩同席していた鳥取城北高校の石浦校長は、時期が来たらお話しますと言ったきり特にコメントをしていません。

横綱による後輩力士への暴力事件の真相は未だ公にはなっていないのです。

貴ノ岩は公開裁判という形でこの事件の真相を公にしようとしているのではないでしょうか。

師匠の貴乃花さんが電撃的に相撲協会を去ってわずか3日での提訴となると、貴乃花さんの”引退”と貴ノ岩のことに関連があるんじゃないかと思ってしまいますね。

一応「無関係」だそうですが、現役で土俵に上る貴ノ岩が独断で裁判起こすとも思えないので…「無関係」と言われても そうなんですかとは素直に思えない気がする…(苦笑)

加害者の日馬富士は土俵を去りまげを落としました。協会はもう日馬富士を守る立場にありません。この提訴に対して協会は「協会員である貴ノ岩に協力する」という旨のコメントを出しました。

この先何が起きるのかフタを開けるのも恐ろしい気がしますが、心から願います。もうこれ以上目と耳を覆いたくなるような話が出てきませんように。周囲のがちゃがちゃに影響されずに貴ノ岩が土俵をつとめられますように。

【追記】

訴えを起こして1ヶ月の10月30日に、貴ノ岩は日馬富士に対する提訴を取り下げると発表しました。

母国モンゴルで貴ノ岩に対するバッシングが想像以上で、モンゴルで暮らす家族にも批難の目が向けられて日常生活に支障をきたしてしまう事態になってしまったことが原因だそうです。

モンゴルでは横綱は英雄扱い。日馬富士は学校を設立したりして母国では非常に尊敬される存在です。それを格下の分際で訴えるとは何事だ!とモンゴル国内では被害者である貴ノ岩に批判的です。

新しい師匠の千賀ノ浦さんは貴ノ岩がそれで納得できるならと訴えを起こしたことに協力的な立場をとっていたようですが(ちがのーらさんホントにいい人)、家族から取り下げるようにと再三要請があったため仕方なく取り下げることになってしまいました。

貴ノ岩としては非常にすっきりしないとは思いますが、土俵に集中して欲しいと思います。

わたくし、貴ノ岩はいずれ横綱になると何年も昔から言っております。精進して横綱になれば、母国の人々も文句はありますまい。がんばれ めげるな貴ノ岩!



コメント

  1. 三角四角 より:

     相撲ブログの中では、グラフィック的にも、写真も豊富で、見易さでは、群を抜いて居ると思います。

     更新を楽しみにしています。

     今回の日馬富士の件ですが、刑事事件に関しては、不起訴処分では無くて、鳥取簡裁に正式に略式起訴されて刑事罰の罰金の刑を宣告されて居ます。

     日馬富士は、控訴する事無く、罰金を納付して居ますので、有罪判決が確定した、所謂前科一犯と成りました。

    【 横綱の暴行 元日馬富士に罰金50万円 貴乃花親方は理事解任
    2018年01月05日 10時30分

     大相撲で、品格を求められる横綱が暴力事件を起こしました。元横綱日馬富士関(伊勢ヶ浜部屋)が巡業中、同じモンゴル出身の幕内貴ノ岩関(貴乃花部屋)を酒席で殴り、頭にけがをさせたことが判明。引退に追い込まれた元横綱は傷害罪で略式起訴され、鳥取簡裁から罰金50万円の略式命令を下されました。暴行現場に同席した横綱白鵬関(宮城野部屋)や親方衆も日本相撲協会の処分を受けました。今回の経緯を振り返ります。(年齢や肩書きなどは当時) 

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